魯迅「故郷」を読むための時代案内(再掲)

今日の授業はどうでしたか?

国語で魯迅の「故郷」にもう入ったかな?

 

教科書に載っている「故郷」が書かれたのは、日本で言えば大正時代。

大正時代って、どんな時代だったのでしょう。

大正時代って……

大正時代が舞台の物語はアニメ『鬼滅の刃』をはじめ、

マンガや小説などたくさんあります。

 

スチームパンクなどのSF物もこの時代をイメージしています。

でも、フィクションを交え、自由な発想で描かれていますね。

 

では大正時代(1912.7-1926.12)って、どんな時代だったのでしょう。

大正ロマン

大衆文化が花開いたのが大正時代です。

 

シャンプーが発売され、洋装が広まり、

洋服を着て髪を短く切った女性たちは職業婦人として社会へ進出しました。

 

カレーライス、コロッケ、トンカツなどの洋食が一般化したのもこの時代です。

カルピスの当時のポスター

森永製菓の「ミルクキャラメル」(1914森永製菓)や「カルピス」(1919アサヒ飲料)、「キューピーマヨネーズ」(1925キューピー)など、今につながる商品が発売されたのもこの時代です。

 

絵画やデザインでも新しい流行が生まれました。

キネマ(無声映画)が流行し、レコードの普及によって「カチューシャの唄」などの流行歌が登場しました。

また宝塚歌劇団も設立されました。(ちなみに宝塚歌劇団は、ゲーム「サクラ大戦」の帝国華撃団のモデルと言われています。)

 

また芸術性豊かな童話・童謡が創り出されました。

蜘蛛の糸」の芥川龍之介や「一房の葡萄」の有島武郎などが活躍しました。

また「ごんぎつね」の新美南吉は、昭和初期の作家ですが、大正ロマンの影響を受けた一人です。

大正デモクラシー

明治時代に発布された大日本帝国憲法

それにのっとって民意を反映しようと政党政治への動きが活発になりました。

 

そして1925年には普通選挙法が成立。

25歳以上の男子であれば無条件で政治参加ができるようになりました。

普通選挙

戦争と不況と災害

大正3(1914)に始まった第一次世界大戦は、

世界的な品不足をもたらしました。

そのため、戦争中に貿易を積極的に行った日本は好景気になりました。

 

……しかし、戦後一転して大不況となり物価が急上昇しました。

そのため、中小企業の多くが倒産する一方、

財閥に利益が集中しました。

 

米騒動(1918)が起きたのもこの時期です。

 

更に関東大震災(1923)により首都東京が壊滅。

不況に追い打ちをかけました。

関東大震災

そして、

普通選挙法と同時に治安維持法が成立し、

思想統制が強まりました。

 

更に内外の恐慌が日本を襲い、

民意を反映しようと始まった政党政治は、

三井や三菱といった財閥と癒着していきました。

 

大正期に完成した

イギリスやアメリカと協調していこうという外交は限界を迎え、

政党主導ではなく軍部主導による政治に変わりました。

 

そして経済的に立ち直るべく、

日本は活路を海外に求め、戦争への道をたどることになります。

 

そんな時代、魯迅の生きた中国はどのような状態だったのでしょうか。

 

そして魯迅は何を「故郷」に見いだしたのでしょうか。

※2025版「故郷」の再掲